40歳以上の99%に肩のMRI異常
フィンランドの研究チームが、40歳以上の成人の約99%でMRI検査で肩に「異常」が見つかるという結果を発表しました。この研究では、一般の人を対象に問診や質問票、医師による肩のテストを行った後、両肩を3テスラMRIで撮影しました。その結果、回旋筋腱板と呼ばれる肩の筋肉と腱の束に変化が見られる人が98.7%にのぼり、年齢が上がるにつれて「正常」の割合は減り、「腱症」や「部分断裂」が増加することがわかりました。しかし、痛みがある人でもない人の肩でMRI異常が見つかる割合はほぼ同じであり、研究チームは回旋筋腱板の所見をそのまま痛みの原因だと診断することは慎重であるべきだと主張しています。
背景
この研究は、肩の痛みとMRI検査結果の関係について調査したものです。回旋筋腱板と呼ばれる肩の筋肉と腱の束に変化が見られることが多く、それが痛みの原因になると考えられてきました。しかし、今回の研究では、痛みがある人でもない人の肩でMRI異常が見つかる割合がほぼ同じであることが明らかになりました。
重要用語解説
回旋筋腱板: 肩の骨を安定させながら腕を動かすための筋肉と腱の束。MRI検査で変化が見られることが多い。[重要性:高]。[具体例:今回の研究では、40歳以上の成人の約98.7%で回旋筋腱板に変化が見られた。]
3テスラMRI: 磁場の強さが3テスラのMRI装置。一般的な1.5テスラMRIよりも腱や筋肉などの細かな変化を捉えやすい。[重要性:中]。[具体例:今回の研究では、3テスラMRIを用いて回旋筋腱板の変化を調査した。]
腱症: 回旋筋腱板に起こる炎症や損傷。[重要性:高]。[具体例:今回の研究では、回旋筋腱板の異常のうち25.3%が腱症であった。]
部分断裂: 回旋筋腱板の一部が切れてしまう状態。[重要性:中]。[具体例:今回の研究では、回旋筋腱板の異常のうち62.4%が部分断裂であった。]
今後の影響
この研究結果は、肩の痛みを診断する際にMRI検査結果のみを頼りにしないよう注意喚起しています。また、患者への説明においても、「断裂」などの強い言葉ではなく、「病変」「構造変化」などより正確で不安を煽らない表現を用いることが重要であると示唆しています。