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トランプ氏、新たな関税で企業・消費者に不確実性

アメリカのドナルド・トランプ大統領が新たに15%の関税を課すことを発表し、企業や消費者に大きな不安が広がっています。米連邦最高裁はトランプ氏の昨年導入した関税措置の大部分を無効と判断したため、トランプ氏は代替として1974年通商法122条を用いる大統領布告に署名しました。この条項により、全ての国からの品目に一時的な10%の新関税を課すことが可能となり、その後トランプ氏はさらにその関税を15%に引き上げると発表しました。これにより、これまでアメリカと10%関税で合意していたイギリスやオーストラリアを含む各国にとって、不確実な事態となっています。また、これまで免除されてきた品目も新しく課税される可能性があるという懸念も強まっています。英産業会議所(BCC)の通商政策責任者ウィリアム・ベイン氏は、「関税をめぐる変更が絶え間なく繰り返され、明確さや確実性が欠けているため、アメリカの顧客向けに企業がどういう価格を設定できるのかをめぐり、へきえきとした疲労感が広がっている」と述べています。トランプ氏の最新発表を受けて、企業はさらに高い税率を懸念しており、イギリスの輸出企業は約4万社あるとされており、5%ポイントの引き上げ分は、イギリスの輸出企業かアメリカの消費者のどちらが負担することになるという見方です。また、消費者への影響も懸念されており、米イェール大学の研究機関「ザ・バジェット・ラボ」は、アメリカの消費者が、昨年導入された関税の相当部分をすでに負担していると推計しています。


背景

2019年6月、トランプ大統領が対米輸出国への関税を大幅に引き上げる政策を開始しました。この政策は、アメリカの国内産業を守ることを目的としていましたが、世界経済全体に悪影響を与えると批判されました。2023年5月、米連邦最高裁はトランプ氏の関税措置の大部分を違憲と判断し、トランプ氏は代替となる1974年通商法122条を用いる大統領布告に署名しました。この条項により、全ての国からの品目に一時的な10%の新関税を課すことが可能となり、その後トランプ氏はさらにその関税を15%に引き上げると発表しました。

重要用語解説

・1974年通商法122条:[大統領が緊急事態の場合に最大15%の関税を課せる権限を与える条項]。[アメリカの貿易政策において重要な役割を果たすため、トランプ氏の関税政策に大きな影響を与えている]。

・232条:[特定産業への特化した関税を導入できる条項]。[トランプ氏がすでに車両、鉄鋼、アルミニウムなど特定産業に特化した関税を導入しており、今後さらに追加される可能性があるため、企業や消費者の不安を高めている]。

・相互関税:[相手国からの輸入品に対する関税]。[トランプ氏の政策によって世界貿易が混乱し、国際的な経済摩擦を引き起こしている]

今後の影響

トランプ氏の新たな関税は、アメリカ国内の企業と消費者に大きな負担を強いる可能性があります。また、世界経済にも悪影響を及ぼす可能性があり、国際的な貿易摩擦をさらに激化させる恐れがあります。