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ブラウザLadybird、Rustを採用へ

ウェブブラウザLadybirdの開発チームは、C++を置き換えるためにRustを採用することを発表しました。2024年に一度検討したものの、当時のRustがオブジェクト指向プログラミング(OOP)に適していないと判断し断念していました。しかし、近年Rustのエコシステムが成熟し、FirefoxやChromiumもRust導入を進めていることから、LadybirdでもRust採用を決定しました。

まずJavaScriptエンジンであるLibJSをRustに移植しました。Claude CodeとCodexを用いて翻訳を行い、その後は複数のモデルによるコードレビューを実施しました。結果として約25,000行のRustコードが生成され、C++版と完全に互換性を持つことが確認されました。テストスイートやベンチマークでもパフォーマンス低下は見られませんでした。

今後、Ladybirdの開発は引き続きC++で行われ、Rustへの移行は段階的に進められます。


背景

Ladybirdはオープンソースのウェブブラウザです。開発チームは長年C++を基盤としていましたが、Rustの安全性とエコシステムの成熟度から移行を決断しました。FirefoxやChromiumもRust導入を進めており、Ladybirdはその流れに沿った選択と言えるでしょう。

重要用語解説

Rust: メモリ安全性を重視したプログラミング言語。C++のようなオブジェクト指向プログラミングよりも所有権モデルを重視する特徴を持つ。近年、システムプログラミングで広く採用されている。

LibJS: Ladybirdで使用されるJavaScriptエンジン。C++で実装されており、Rustに移植された。

test262: JavaScriptの仕様をテストするためのTestSuite。LibJSの移植において重要な役割を果たした。

Claude Code, Codex: OpenAIが開発したコード生成AIモデル。LadybirdのRustへの翻訳に利用された。

今後の影響

LadybirdのRust採用は、ウェブブラウザ開発におけるRustの普及を促進する可能性があります。また、セキュリティ面での強化も期待できます。ただし、C++との互換性を維持しつつRustに移行していく過程には、技術的な課題が残ると考えられます。