運動しても減らない体重の謎
新たな研究によると、単に運動してカロリーを消費するだけでは体重減少につながらない可能性があるという。従来は、「動けば動くだけ消費カロリーが増加し、体重が減る」という考え方が一般的だったが、デューク大学のハーマン・ポンツァー氏らは「体は想定されているより少ないエネルギー量で活動していて、運動すると体の他の場所で消費されるエネルギーを削減することで補う」という「制約モデル」を提唱。14件の研究と動物研究を分析した結果、運動で消費されたカロリーは1日の総消費カロリーに72%程度しか上乗せされないことが判明した。つまり、運動による追加消費が体重減少につながると考えられてきた従来の「加算モデル」は過大評価している可能性がある。ポンツァー氏らは、「人間および他の動物は、身体活動の増加に対して、他の作業に費やすエネルギーを減らすことで対応している可能性があります」と説明している。
背景
従来の「加算モデル」では運動によるカロリー消費が体重減少に直接的につながると考えられてきたが、近年、「制約モデル」を提唱する研究者が現れ、運動とエネルギー消費の関係について新たな視点を与えている。
重要用語解説
加算モデル: 運動によって消費されるカロリーは総エネルギー消費量に追加されるという考え方。運動量が増えれば体重減少効果も増大すると考えられる。
制約モデル: 運動によるエネルギー消費増加と、体の他の場所で消費されるエネルギーを削減するメカニズムが相互作用し、総エネルギー消費量は変化しないまたはわずかに増加するという考え方。
ハーマン・ポンツァー氏: デューク大学の研究者。制約モデルの提唱者であり、運動とエネルギー消費の関係に関する研究を行っている。
今後の影響
この研究結果は、ダイエットや健康管理において運動の効果について再考する必要があることを示唆している。単に運動量を増やすだけでなく、食事内容や体の他の働きとのバランスも重要であることが強調される。