人間の脳細胞で「DOOM」プレイ?バイオコンピューターの挑戦
オーストラリアのスタートアップ企業Cortical Labsは、人の脳神経細胞を使った世界初の商用バイオコンピューター「CL1」を開発しました。2021年には、培養した脳細胞を用いた「DishBrainシステム」で卓球ゲーム「PONG」をプレイさせることに成功していました。その後、インターネット上での「DOOMがプレイできるのか?」という問いを受け、Cortical Labsはニューラルネットワークシステム「Cortical Cloud」とCL1にプログラミング可能なAPI「CL API」を開発しました。独立研究者のSha氏がCL APIを利用し、ゲーム映像を電気刺激パターンに変換することに成功。特定の電極を刺激することで脳細胞が反応し、射撃や移動などの操作を可能にする仕組みです。現在、初心者レベルではすぐに敗北することも多いものの、敵を探して撃つなど学習効果が見られる段階とのことです。Cortical Labsは、DOOMのような複雑な課題でもデジタル情報を電気刺激として細胞に流し込み、その反応を読み取って操作に戻すことができたと述べています。今後の課題として、情報の符号化やフィードバック方法の改良を挙げ、より高度なゲームプレイを目指しています。
背景
Cortical Labsは、人間の脳細胞を用いたバイオコンピューター開発に取り組んでおり、2021年には卓球ゲーム「PONG」をプレイさせることに成功しました。その後、インターネット上でのユーザーからの要望を受け、「DOOM」のプレイに挑戦することになりました。
重要用語解説
CL1: Cortical Labsが開発した世界初の商用バイオコンピューター。培養した人の脳神経細胞をシリコンチップにつなぎ、AIをはじめとするニューラルネットワークによる計算を行うことができる。
DishBrainシステム: Cortical Labsが構築した、iPS細胞から分化させた人の脳神経細胞を機械と相互作用させるシステム。卓球ゲーム「PONG」のプレイに成功している。
Cortical Cloud: Cortical Labsが開発したニューラルネットワークシステム。複数のCL1で構成され、「DOOM」のプレイ学習に使用されている。
CL API: Cortical Labsが開発した、あらゆるユーザーがPythonでCL1にプログラミングできるAPI。独立研究者のSha氏が「DOOM」のプレイ学習環境を構築するために利用した。
iPS細胞: 誘導多能性幹細胞。体内の様々な細胞に分化させることができる万能な細胞。
今後の影響
この技術は、脳機能の解明や神経疾患の治療など、幅広い分野に貢献する可能性を秘めています。また、バイオコンピューターを用いた新たなAI開発の可能性も示唆しており、今後の研究開発が注目されます。