メモリ不足でスマホ市場縮小、2026年には過去最悪の落ち込み
調査会社のIDCによると、2026年の世界のスマートフォン出荷台数は11億2000万台にまで減少する見通しです。これは、深刻化するメモリ不足危機の影響によるもので、前年比で12.9%減と過去最大級の落ち込みを記録すると予測されています。IDCは、この危機が家電業界全体に波及し、市場規模や製品構成、メーカーの勢力図を根本的に塗り替える構造的なリセットになると分析しています。メモリ価格の高騰は低価格帯スマホの利益率を直撃し、小規模なメーカーは撤退する可能性があります。一方、AppleやSamsungは危機を乗り越え、市場シェア拡大を狙います。平均販売価格は前年比14%上昇し523ドル(約8万1600円)に達すると予測されていますが、低価格帯スマホのビジネスモデルは大きく転換期を迎えています。メモリ価格は2027年中盤から安定し始めると予測されますが、以前のような低価格水準に戻ることは期待できません。地域別では、低価格スマホ比率の高い市場ほど深刻な影響を受けると予測され、中東・アフリカは最も急激な下落に直面します。世界的なスマートフォン市場は2027年中盤から安定に向かい、2028年には前年比5.2%増の力強い反発が予測されています。
背景
世界的なメモリ不足はスマートフォン市場に大きな影響を与え、出荷台数の減少と価格上昇を招いています。この危機は2026年にピークを迎える見通しで、その後も従来のビジネス環境への回帰は困難な状況が続くと予測されています。
重要用語解説
メモリ不足危機: 半導体製造の遅延や需要増加により、メモリの供給量が需給バランスを崩し、価格高騰と供給不足を引き起こす事態。スマートフォンをはじめとする電子機器の生産に大きな影響を与えている。
ASP(Average Selling Price): 平均販売価格。製品1台あたりの売上金額の平均値。
TAM(Total Addressable Market): 市場総規模。特定の商品やサービスが対象となる全体的な市場規模。
Androidメーカー: Android OSを搭載したスマートフォンを製造する企業。
今後の影響
メモリ不足危機は、低価格帯スマホのビジネスモデルに大きな打撃を与え、小規模なメーカーの撤退を加速させる可能性があります。一方、AppleやSamsungなどの大手メーカーは、この危機を乗り越え、市場シェア拡大を狙うでしょう。また、スマートフォン市場全体の縮小と平均販売価格の上昇が予想され、消費者の負担が増加する可能性も考えられます。