職場の不調原因は「孤立感」か「情報共有の滞り」か?フル出社・フルリモートで分かれる人間関係の課題
リモートワーク支援を手掛けるLASSIC(東京都港区)は、「職場での不調要因と価値観の変化に関する調査」を実施し、出社形態による人間関係の課題や働き方の価値観の変化を明らかにした。調査対象は、20〜65歳のテレワークやリモートワークを経験した男女1009人であり、調査期間は2025年11月27日から28日であった。調査の結果、職場の人間関係における心身の不調の要因として最も多かったのは「必要なコミュニケーションが取りづらく孤立感を感じること」(22.2%)であった。これに続き、「上司の細かな進捗確認や頻繁な声かけ、常時監視されている感覚」(20.4%)、「オフィス内の派閥や人間関係の複雑さ」(20.3%)などが挙げられた。出社形態別の課題を見ると、フル出社の層では「部署やチーム内での情報共有が滞り、仕事の進行に支障が出る」(18.6%)という回答が目立った。一方、フルリモートの層では、「必要なコミュニケーションが取りづらく孤立感を感じること」や「チームの一体感や所属意識が感じにくいこと」が特に顕著であった。また、リモートワーク経験による価値観の変化では、「一人で集中し、自分のペースを大切にしたくなった」(39.0%)が最も多く、次いで「仕事と私生活のバランスを自分で整えたいと思うようになった」(35.4%)、「通勤など場所の制約に縛られない働き方を理想と感じるようになった」(23.4%)と続いた。出社形態別の変化では、フルリモート層は「一人で集中し自分のペースを大切にしたくなった」や「心と体の健康を守ることの大切さを以前より強く意識するようになった」と回答する傾向が強く、フル出社層ではこれらの傾向が全体的に低くなる傾向が見られた。
背景
近年、新型コロナウイルスのパンデミックを契機にリモートワークやハイブリッドワークが普及し、働き方や職場のあり方に関する価値観が大きく変化した。企業側も多様な働き方に対応する必要に迫られ、従業員側もワークライフバランスや自己のペースを重視する傾向が強まっている。
重要用語解説
- 孤立感: コミュニケーション不足や物理的な距離により、職場や社会から切り離されたと感じる心理状態。リモートワーク環境下で特に生じやすい。
- フル出社: 全ての勤務日において、オフィスに出勤することを基本とする働き方。対面でのコミュニケーションが中心となる。
- フルリモート: 全ての勤務日において、自宅などオフィス以外の場所で働く働き方。場所の制約が少ないのが特徴である。
今後の影響
本調査結果は、今後の企業が最適な働き方を設計する上で重要な指針となる。特に、リモートワーカーの「孤立感」や「所属意識の低下」といった心理的課題への対策(例:バーチャルな交流機会の設計)や、フル出社環境における「情報共有の仕組み化」が求められる。企業は、単なる場所の提供ではなく、心理的なつながりを維持する仕組みづくりが急務である。