AI動画で大阪の名所を巡る「近大ジェットコースター」が話題:入学式での演出と反響
近畿大学が、大阪の観光名所を巡りながらキャンパスへ向かう架空のジェットコースターをテーマにしたAI動画を公開し、大きな話題を呼んでいます。この動画は、近大が4月4日に開催した入学式のオープニングとして使用されました。動画は、大阪城や道頓堀といった実在の観光地を一人称視点で巡り、最終的に東大阪キャンパスの記念会館に到着する構成となっています。
この動画がSNSで再注目されたのは、あるXユーザーが紹介したことをきっかけです。近大の担当者によると、制作はInstagramなどで活動する海外クリエイターのSsestar氏に依頼したもので、同氏は韓国や台湾の観光地を題材にしたAI動画制作を得意としています。近大側は、大阪市内の観光地やキャンパス周辺の素材をドローンなどを用いて用意し、これをもとにAIを活用して動画を制作させました。
制作の狙いは、入学式に参加する学生たちに、同大学の立地を「没入感」をもって知ってもらうことにあります。また、現代の若い世代がAI画像や動画に慣れ親しんでいるという認識から、エンターテインメント性を重視しました。実際に、入学式当日にこの映像が流れた際、学生たちは大きな声で反応し、強い没入感があったと担当者は振り返っています。
反響は非常にポジティブで、「キャンパスにまた行きたくなった」といった卒業生の声も上がっています。一方で、X上では位置関係の不自然さやAI特有の文字の乱れを指摘する声も出ていますが、大学側は「フィクションであり、AI生成であることも明記している」として、あくまで創作物として楽しんでほしいと説明しています。なお、2026年度の入学式は、つんく♂氏が総合プロデュースを担当し、ナダル氏やせいや氏などもゲストとして登壇しました。
背景
本件は、大学が最新のAI技術(AI動画生成)を教育・広報活動に取り入れた事例です。近年、大学や企業は、学生や社会へのアピールとして、没入感の高いデジタルコンテンツを制作する傾向にあります。特に、AI技術の進化に伴い、フィクションとリアルの境界が曖昧になり、それが話題性を生む要因となっています。
重要用語解説
- AI動画: 人工知能(AI)を用いて生成された動画コンテンツ。テキストや画像素材から、物語性や視覚効果を持たせ、あたかも撮影されたかのような映像を自動生成する技術。
- 没入感: コンテンツや体験が現実と区別がつかないほど深く引き込まれる感覚。視聴者や参加者が物語や空間の一部であるかのように感じる心理状態。
- 東大阪キャンパス: 近畿大学が設置するキャンパスの一つ。本記事では、このキャンパスの建物を巡る形で、架空のジェットコースターの終着点として描かれています。
今後の影響
大学などの教育機関がAI技術を積極的に活用するモデルケースとなり、今後の広報戦略や入学式などのイベント演出に大きな影響を与える可能性があります。また、AI生成コンテンツの「フィクション」と「真実」の区別を巡る議論が、社会的な課題として浮上するでしょう。