トヨタ、独自の「ウーブンAI」を初公開:街の事象を先読みする世界最高水準の動画理解技術
トヨタ自動車は、子会社のウーブン・バイ・トヨタ(ウーブン社)が開発した独自のAI「ウーブン・シティAIビジョンエンジン」を4月22日に初公開した。このAIは、カメラ映像から人や車の動きなど、実際の街や空間で起きている事象を言語化して高精度で理解できる動画理解AIであり、世界最高水準の性能を持つとされている。発表は、次世代技術の実証都市「ウーブン・シティ」(静岡県裾野市)内の開発拠点「インベンターガレージ」で開催された技術説明会で行われた。このAIの最大の特徴は、映像情報を単に記憶するだけでなく、時間の経過と空間の状況の変化を理解し、次に起きる事象を予測できる点にある。ウーブン社は、このAI基盤をウーブン・シティで実証を行うパートナー企業に提供するほか、外部への販売も開始する予定だ。さらに、ウーブン社は、ドライバーの状況を認識する車載AIや、信号機などの交通インフラデータを収集管理するソフトウェアも開発しており、これらを連携させることで、車載AIからは見えない歩行者や対向車の動きを先読みし、ドライバーに危険を警告する高度な安全支援技術の実現を目指している。トヨタは、自動運転技術のみでは事故ゼロは実現できないとし、人と車とインフラの情報がAIなどで融合する安全支援技術こそが、交通事故ゼロ社会の実現に向けた土台となると強調した。この技術は、新車への導入に加え、既販車への後付け技術も開発が進められている。
背景
自動運転技術の進展に伴い、単なる車両の自動制御だけでなく、人間やインフラとの相互作用を考慮した安全性の確保が喫緊の課題となっています。トヨタは、この課題に対し、単一の技術に依存せず、AIによる多角的な情報融合を通じて「事故ゼロ社会」の実現を目指しています。
重要用語解説
- ウーブン・バイ・トヨタ: トヨタ自動車のAI開発子会社。次世代技術の実証都市「ウーブン・シティ」を拠点に、AIによる社会実装に取り組んでいる。
- ウーブン・シティAIビジョンエンジン: ウーブン社が開発した独自の動画理解AI。映像から事象を言語化し、時間の経過と空間の変化を理解して事象を予測する。
- インベンターガレージ: ウーブン・シティ内の開発拠点。今回の技術説明会が開催された場所であり、AI開発の具体的な取り組みが披露された。
今後の影響
本AI技術は、自動運転の安全性を飛躍的に向上させ、交通事故の根本的な予防策を提供すると期待される。車載AIとインフラAIの連携により、社会全体の安全基準を引き上げ、モビリティ産業の構造変革を促す可能性が高い。今後の実証実験の進捗が注目される。