メルセデス・ベンツ、表参道にカフェ併設のブランドストアを期間限定オープン:若年層へのアプローチ強化
メルセデス・ベンツ日本は、2026年4月24日より、東京・表参道(東京都港区)にブランドストア「Mercedes-Benz Studio Tokyo」を約1年間の期間限定でオープンしました。このストアは、最新モデルの展示や試乗体験を提供するだけでなく、生ドーナツを提供するカフェ「Mercedes Cafe by I’m donut?」を併設している点が特徴です。この戦略は、高級車ディーラーに対する心理的なハードルを下げ、ブランド認知度を広げることを目的としています。
本出店は、独メルセデス・ベンツが世界的に展開する「Mercedes-Benz Studio」プロジェクトの一環であり、これまでミュンヘンやコペンハーゲンで実施されてきた取り組みが、アジアでは今回が初めてとなります。表参道交差点の角地にあるプロモーションスペース「OMOTESANDO CROSSING PARK」という立地は、ラグジュアリー層に加え、ファッションやカルチャーに関心の高い幅広い若年層との接点創出を狙っています。
ゲルティンガー剛社長兼CEOは、情報過多な時代だからこそ、実際に空間を体験し、プロダクトに触れ、人と会話しながらブランドを体験する価値が高まっていると説明しています。カフェでは、生ドーナツ専門店「I'm donut?」のオーナーシェフ、平子良太氏が展開する5つのブランドが集結し、限定メニューも提供されます。これにより、飲食をきっかけに、従来の顧客層以外に女性や若年層といった新たな来店者を取り込むことを目指しています。
さらに、映画『プラダを着た悪魔2』(5月1日公開)とのコラボ企画も実施され、劇中のファッション誌編集長が使用する車両と同型モデル「The Mercedes-Maybach S-Class」が展示されます。また、スタッフユニフォームにはスポーツファッションブランド「Y-3」を採用し、Y-3の世界観でラッピングされた「The Mercedes-AMG GT Coupe」なども展示するなど、多角的なアプローチでブランド体験の場を創出しています。
背景
高級車ブランドが直面する課題の一つに、従来のディーラー型の販売チャネルが持つ「敷居の高さ」があります。本ニュースは、メルセデス・ベンツがこの課題を解決するため、単なる販売拠点ではなく、文化やライフスタイルを体験できる「場」を創出する戦略的転換を示しています。
重要用語解説
- Mercedes-Benz Studio: メルセデス・ベンツが展開する、単なる販売に留まらない、ブランドの世界観やライフスタイルを体験できる複合的なプロモーション空間。世界的な展開が進められている。
- I'm donut?: 生ドーナツを専門とする人気ブランド。今回の出店では、そのカフェ事業をブランド体験の入り口として活用し、若年層の来店を促している。
- Y-3: デザイナー山本耀司氏とアディダスの協業によるスポーツファッションブランド。モータースポーツやストリートカルチャーとの関連性が高く、ブランドの若年層へのアピールに利用されている。
今後の影響
本取り組みは、高級ブランドが「モノの販売」から「体験の提供」へと軸足を移すトレンドを象徴しています。これにより、ブランドはより幅広い層との接点を持つことができ、将来的な顧客層の拡大と、ブランド価値の維持・向上に大きく貢献すると予想されます。小売業界全体に影響を与える事例です。