Anthropic、脆弱性発見AI「Claude Mythos Preview」の先行提供を15カ国超に拡大
AI企業Anthropicは、自社開発の「Claude Mythos Preview」という、ソフトウェアの脆弱性発見能力が極めて高いAIモデルの先行提供プログラム「Project Glasswing」を大幅に拡大すると発表しました。このモデルは、AI時代のサイバー攻撃に備えるための防御的なツールとして機能します。
当初、Anthropicは2026年4月にClaude Mythos Previewを公開して以来、約50の初期パートナーと提携し、これまでに1万件を超える重大なセキュリティ欠陥を発見してきました。公開から約2カ月が経過した現在、Anthropicは限定公開対象のパートナーの数を約150に拡大することを明らかにしました。この新たなパートナー群は15カ国以上に拠点を置いており、電力、水道、医療、通信、ハードウェアなど、初期参加組織ではカバーしきれていなかった多様な重要インフラ業界が含まれています。
特に、新しいパートナーの多くは、世界中の多くの組織や政府が依存するコードベースを維持するベンダーや非営利団体です。Anthropicは、これらのパートナーのコードベースへの攻撃が成功した場合、壊滅的な結果を招き、大規模な攻撃は1億人を超える人々に影響を及ぼし、世界および国家の安全保障に重大な影響を与える可能性があると指摘しています。
Anthropicは、Project Glasswingを通じて、強力なサイバー能力を持つAIモデルが現実の運用規範となる移行を促したいとしています。さらに、今後6〜12カ月以内には、多くのAI企業がClaude Mythos Preview級のモデルを保有し、安全策なしに公開する可能性を予測しています。そのため、サイバー攻撃がより頻繁かつ予測不可能な形で発生する世界において、防御側が早期に適応する必要性を強調し、今後もProject Glasswingの拡大を計画しています。
背景
近年、AI技術の進化に伴い、AIモデル自体が高度なサイバー攻撃のツールとして悪用されるリスクが高まっています。AnthropicのClaude Mythos Previewは、このリスクを逆手に取り、脆弱性発見という防御的な用途に特化した高性能AIとして開発されました。Project Glasswingは、この最先端の防御技術を、世界中の重要インフラを担う組織に段階的に提供する取り組みです。
重要用語解説
- Claude Mythos Preview: Anthropicが開発した、ソフトウェアの脆弱性発見能力に特化した高性能AIモデル。サイバーセキュリティの防御側から利用される。
- Project Glasswing: Anthropicが主導する、Claude Mythos Previewの先行提供プログラム。世界中の重要インフラ企業に限定的にアクセス権を拡大している。
- 脆弱性(ぜいじゃくせい): ソフトウェアやシステムに存在する、外部からの攻撃を許してしまう欠陥や弱点のこと。セキュリティ対策の主要な標的となる。
今後の影響
本プロジェクトの拡大は、AI時代のサイバーセキュリティの標準的な防御策を再定義する可能性があります。重要インフラを担う多数の組織がこの高度なAIツールを利用することで、国家レベルでの防御能力が向上すると予想されます。一方で、この技術が一般に広がることで、防御側と攻撃側のAI技術の競争がさらに激化する可能性も示唆されています。