奈良公園で女性がシカに腰掛ける動画が拡散、県が「不適切」と警告
奈良公園とみられる場所で、女性がシカに腰掛けようとする様子を捉えた動画がSNS上で拡散し、大きな批判を呼んでいます。動画には、ノースリーブのワンピースとピンヒールの靴を履いた女性が、シカに腰掛けて乗ろうとしている様子が映し出されています。シカは、その場から動いたり首を振ったりするなど、嫌悪感を示す行動をとっていることが確認できます。また、近くにいた男性がスマートフォンで撮影し、「乗れる、乗れる」といった発言をしている音声も含まれています。
この動画は、2026年6月1日頃からInstagramやXなどのSNSを通じて拡散されており、「動物虐待だ」「神聖な鹿に乗りなさい」といった強い批判の声が寄せられています。
これを受け、奈良県は当該動画について「非常に不適切」であると明言し、シカへの接触行為を強く非難しています。奈良のシカは国の天然記念物に指定され、文化財保護法によって保護されている動物です。さらに、奈良県は、過去にシカを蹴ったり叩いたりする動画が拡散したことを受け、規制を強化してきました。具体的には、奈良県立都市公園条例施行規則に基づき、「天然記念物『奈良のシカ』に対する加害行為」を禁止しています。この「加害行為」とは、「みだりに、その身体に外傷が生ずるおそれのある暴行を加え、又はそのおそれのある行為をさせること及びそれに準ずる行為」と厳格に定義されています。県は、シカへの不適切な接触行為を改めて自粛するよう呼びかけています。
背景
奈良のシカは国の天然記念物に指定されており、文化財保護の対象となっています。過去には、観光客によるシカへの過度な接触や、暴行行為を捉えた動画が拡散した経緯があり、これを受けて奈良県は条例を強化し、シカの保護と人との適切な距離の維持を目的としています。
重要用語解説
- 天然記念物: 国の指定する貴重な自然物や文化財のこと。奈良のシカは、その生態や歴史的価値から保護の対象となっています。
- 文化財保護法: 文化財の保護と保全を目的とした法律。天然記念物を含む文化財の取り扱いに関する法的根拠となっています。
- 加害行為: 条例で定義された、シカの身体に外傷が生じるおそれのある暴行や、それに準ずる不適切な接触行為を指します。シカの安全を守るための具体的な禁止行為です。
今後の影響
本件は、観光客による野生動物への無関心や過剰な接触行為が改めて社会問題として浮上したことを示しています。今後、奈良県は観光客に対し、シカとの適切な距離感や、動物愛護の意識向上をより強力に働きかける必要があり、観光ガイドラインの徹底が求められます。また、動物虐待防止の啓発活動が強化されると予想されます。