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ヴェンダース監督、1975年作『まわり道』の公開中止を発表:10代俳優の裸のシーンを巡り

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ドイツの映画監督ヴィム・ヴェンダース氏が、1975年に公開された自身の作品『まわり道』について、今後あらゆる形態での鑑賞を不可能にすると表明しました。この決定は、当時13歳で上半身裸のシーンを撮影されたドイツ出身の俳優ナスターシャ・キンスキー氏の要請によるものです。

キンスキー氏は、ドイツ紙「南ドイツ新聞」の取材に対し、この映画の修正をヴェンダース氏に長年求めてきた経緯を語り、「あれは私の初出演作だった。彼は私の初めての監督だったが、私を守ってくれなかった」と、当時の保護の欠如を訴えました。これを受け、ヴェンダース氏は3日、自身のインスタグラムを通じて声明を出し、「当時(キンスキー氏)もっと守られるべきだった」「そのことについてあなたに謝罪する、ナスターシャ、無条件に、弁解なしに」と謝罪しました。

さらに、同氏は「まわり道」を「現在行われているあらゆる形態の配給および上映」から引き上げると宣言し、ストリーミングサービスやテレビ局、配給パートナーに対し、公開中止を指示しました。ヴェンダース氏は、世論の反応や対話が自身の理解を深める上で重要であったと述べ、社会全体が20世紀の物議を醸す映画作品に対処する適切な方法を見出す必要があると強調しました。

今後は、映画関連の機関や団体と「幅広い対話」を行い、キンスキー氏を含めた双方の合意に至ってから、作品を再び公開可能にすると述べています。キンスキー氏の弁護士は、この対応を「歓迎する」としつつも、「世論の圧力でようやく実現したのは残念だ」とコメントしています。なお、『まわり道』には、キンスキー氏と当時30代前半の男性共演者による性的なシーンが含まれており、ヴェンダース氏は本作でドイツ映画賞の監督賞を受賞しています。


背景

本件は、映画芸術における倫理的な問題、特に未成年者の性的描写や搾取の可能性が再浮上した事例です。ヴェンダース監督は、自身の過去の作品が抱える倫理的な問題を、世論の圧力と自身の内省を通じて再評価し、公的な謝罪と作品の公開停止という形で対応しました。

重要用語解説

  • ヴィム・ヴェンダース: ドイツの映画監督。アカデミー賞候補に名を連ね、ドイツ映画賞の監督賞を受賞した著名な作家。過去の作品の倫理的問題が指摘される中で、自身の責任を公に認めました。
  • まわり道: ヴェンダース監督が1975年に公開した映画作品。当時13歳のナスターシャ・キンスキー氏が上半身裸のシーンを撮影したことで、現在、倫理的な問題が焦点となっています。
  • ナスターシャ・キンスキー: ドイツ出身の俳優。1975年の『まわり道』で初出演し、当時13歳で裸のシーンを撮影した。今回の問題の核心となる人物です。

今後の影響

本件は、映画業界における過去の倫理的な扱い、特に未成年者の保護に関する議論を再燃させました。監督自身が謝罪と作品の公開停止という形で責任を取ったことは、業界の倫理基準の引き上げを促す大きな転機となり、今後の映画制作や配給における配慮のあり方を見直すきっかけとなるでしょう。