Google、AIとセッション可能な音楽生成AI「Magenta RealTime 2」を公開:DAWプラグインや楽器アプリも無料提供
Googleは、AIとリアルタイムでセッションが可能な音楽生成AIモデル「Magenta RealTime 2」を2026年6月4日に公開しました。これに伴い、Magenta RealTime 2を実際に利用するための楽器アプリやDAWプラグインも無料で提供されています。
Magenta RealTime 2は、パラメーター数24億の高品質モデル「mrt2_base」と、パラメーター数2億3000万の高速モデル「mrt2_small」の2種類で構成されています。これらのモデルはAppleシリコンでの実行に最適化されており、特に「mrt2_small」はM1チップ以降のすべてのAppleシリコン搭載Macでリアルタイム動作が可能です。また、NVIDIA製GPUなどでも実行が可能です。
利用方法として、楽器アプリ「Jam」では、ユーザーが「奏でたい音楽のジャンル説明」をテキスト入力するだけで音楽が流れ始め、さらに下段の鍵盤で音階を調整できます。この鍵盤は、クリック操作だけでなくMacBookのキーボードやMIDIキーボードからも操作可能です。また、DAWプラグイン「MRT2」を使用すれば、既存の楽曲制作アプリ内でMagenta RealTime 2の機能を活用できます。
さらに、Google DeepMindの研究者であるJesse Engel氏が、MRT2とハンドジェスチャーをMIDI入力として扱うアプリを連携させ、ジェスチャーのみで音楽を奏でるデモ動画を公開するなど、その高いインタラクティブ性が示されています。本モデルは、MIDI、オーディオ、テキストなど多様なパラメータに対応し、低遅延(エンドツーエンドで約200ms)でMacBook上でローカル実行できる点が大きな特徴です。関連コードやドキュメントもGitHubで公開されており、開発者による幅広い利用が期待されます。
背景
音楽生成AIの進化に伴い、単なる楽曲生成に留まらず、ユーザーのリアルタイムな入力(演奏、ジェスチャー、テキスト)に対応できる「インタラクティブ性」が求められています。本モデルは、この要求に応える形で、ローカル環境での低遅延なセッション機能を提供します。
重要用語解説
- Magenta RealTime 2: Googleが開発した、AIとリアルタイムでセッションが可能な音楽生成モデル。テキストやMIDI入力に対応し、ローカル環境での動作に最適化されている。
- DAWプラグイン: Digital Audio Workstation(楽曲制作ソフト)に組み込むための追加機能。外部のAIモデルを既存の制作ワークフローに統合することを可能にする。
- Appleシリコン: Appleが開発した独自の高性能プロセッサ。本モデルは、このアーキテクチャでの動作に最適化されており、Macユーザーにとって高い利便性を持つ。
今後の影響
本モデルの公開により、音楽制作の民主化が加速し、プロの現場だけでなく一般ユーザーもAIをセッションパートナーとして活用できるようになります。特にローカル実行可能な点が、著作権やデータプライバシーの面で大きな利点となり、今後の音楽制作ツール市場に大きな影響を与えることが予想されます。