イラン代表、メキシコへ出発も米国のビザ問題が勃発:主要スタッフに渡航差し止め
2026年大会を控えたサッカーの国際的な注目が集まる中、イラン代表チームは、米国によるビザ提供の問題に直面している。イラン代表選手団は現在トルコのアンタルヤで合宿生活を送っているが、メキシコへ移動するにあたり、主要なスタッフメンバーのビザ取得を巡って米国の対応に抗議している状況である。
この問題は、2026年大会(米国、メキシコ、カナダ共同開催)開幕日である6月11日の数日前、土曜日に表面化した。当初、ワシントン駐トルキエ公使館のトム・バラック氏がX(旧Twitter)を通じて、イラン代表チームのビザ処理は進んでいると報告し、アンカラの米国大使館の努力を称賛した。
しかし、これに対しイランの駐トルコ大使館は土曜日に激しい反論を展開。同館は、「マネジメントおよび幹部スタッフ、技術顧問など、国家サッカーチームに不可欠な『多数』の主要スタッフがビザを拒否された」と強く主張した。
さらにイラン大使館は、この状況を「イラン代表チームに対する意図的かつ差別的な扱いを最高レベルまでエスカレートさせたものだ」と非難し、メディ・タジ(Mehdi Taj)といったサッカー連盟の幹部や事務総長など複数の重要人物がビザを取得できていないことを報じた。これらのスタッフは、ビザ取得の努力が続く中でも、選手団と共にメキシコへ渡航する予定である。
イランサッカー連盟は、米国の行動を「国際スポーツ法に反するもの」と断じ、この問題をFIFA(国際サッカー連盟)を通じて追及すると表明した。同連盟は声明で、「米国政府が代表チームに対して敵対的な行動を続け…非スポーツ的かつ完全に政治的な決定を下し、主要な指導層や管理部門のメンバーのビザを拒否した」と主張し、FIFAに対し、滞在中のスタッフのビザ最終化を求めるよう求めている。なお、FIFAからの即時の回答は得られていない。
チームメリーは土曜日にアンタルヤを出発し、スペインを経由して日曜日の現地時間07:30にメキシコに到着予定である。大会期間中はティフアナ(米国北西部)を拠点とするが、全試合は米国で開催される予定だ。
背景
2026年FIFAワールドカップは、米国、メキシコ、カナダの3カ国共同開催という大規模なイベントであり、各国代表チームの渡航や準備が国際的な注目を集めている。イラン代表の場合、政治的緊張が高まる中で、主要スタッフのビザ問題が発生し、スポーツと外交・政治の問題が絡み合っている。
重要用語解説
- FIFA(国際サッカー連盟): 世界中の国々のサッカーを統括する国際組織。ワールドカップのような大規模な大会の運営やルール設定を行う最高機関である。
- ビザ(査証): 外国人が特定の国に入国するために必要となる、政府が発行する渡航許可書のこと。入国目的や滞在期間に応じて種類が定められる。
- アンタルヤ: トルコ南部のリゾート地であり、イラン代表チームが2026年大会に向けて合宿を行っている場所である。
今後の影響
このビザ問題は、単なる渡航手続き上の問題を越え、スポーツ外交および国際政治的な対立の象徴となっている。イランサッカー連盟がFIFAを通じて強く抗議することで、今後のワールドカップにおける各国の関係性や、大会運営への政治的介入の可能性が高まり、注目されるだろう。