WWDCの抗議者、アップルに「ヌディなアプリ」排除とiCloudからの児童性的虐待物削除を要求
本日開催されるAppleの開発者会議(WWDC)を機に、複数の抗議団体がアップルに対し、App Storeから「ヌディなアプリ」(性的なコンテンツを含むアプリ)の排除と、iCloudに保存されている既知の児童性的虐待物(CSAM)の削除を強く求めている。抗議活動は、Appleのクパチーノにあるビジターセンター前で行われ、「Apple is powered by child sexual abuse(アップルは児童性的虐待によって動いている)」と書かれた大きなプラカードが掲げられ、新CEOのジョン・テルナス氏に問いかけられている。
抗議に参加しているのは、女性擁護団体UltraVioletや、テクノロジー企業が児童性的虐待を助長し利益を得ていることを追及するHeat Initiativeなどである。これらの団体は、アップルとGoogleが、ユーザーが非同意の性的なディープフェイクを作成できるにもかかわらず、xAIのGrokのようなアプリをApp Storeに留め続けている点について、今年初めに大きな批判を受けた経緯がある。
抗議者らが配布したパンフレットによると、「AppleのApp Storeには少なくとも47のヌディなアプリが発見されている」と指摘されており、Tech Transparency Projectのデータに基づき、これらの「ヌディなアプリ」からアップルが最低でも1億1,700万ドルを稼いでいると主張している。特にGrok単体で3,500万ドル以上を稼いでいると試算されている。
なお、Appleは以前、プライバシー上の懸念からiCloudに保存された写真の児童性的虐待物スキャン計画を一度中止した経緯があるが、今回の抗議活動に対し、アップルはコメントをすぐには返していない。
背景
近年、テクノロジー企業によるプラットフォーム上のコンテンツ管理と倫理的な責任(特に児童性的虐待物や非同意のディープフェイク)が大きな社会問題となっている。WWDCは通常、新製品発表の場だが、今回はその注目度を利用し、抗議団体が企業の倫理的姿勢を問う機会として利用している。
重要用語解説
- ヌディなアプリ(nudify apps): 性的なコンテンツや裸体画像を含むアプリ群を指す。抗議者らは、これらのアプリがプラットフォームの収益源となっており、社会的に有害であると批判している。
- iCloud: Appleが提供するクラウドストレージサービス。ユーザーの写真やデータが保存される場所であり、今回の問題はここに存在する児童性的虐待物の取り扱いに関わる。
- WWDC: Worldwide Developers Conference(世界開発者会議)の略称。毎年開催されるApple最大の開発者向けカンファレンスで、新機能やOSアップデートなどが発表される場である。
今後の影響
本件は、プラットフォーム企業が「収益性」と「社会的な倫理的責任」の間で直面するジレンマを浮き彫りにしている。アップルがこれらの要求に応じるか否かは、今後のアプリストアの審査基準やAI技術(ディープフェイク)に対する規制強化に大きな影響を与えることが予想される。