八王子市で統計調査員の書類紛失事案が発生 「かたり調査」への警戒を呼びかけ
東京都八王子市は、2026年6月10日、「令和8年経済センサス‐活動調査」の統計調査員が、職務上の調査員証と事業所名簿などの重要書類を紛失した事案について謝罪し、市民への注意喚起を行いました。この紛失は、6月8日に発覚しました。具体的な経緯として、調査員が自宅または担当調査区付近で、調査員証および市から貸与された「調査区内事業所名簿」6枚を紛失したとされています。この名簿には、担当する34事業所の名称、所在地、電話番号が記載されており、特に5件の電話番号は非公開情報を含むものでした。
八王子市は、8日10時頃に調査員から紛失連絡を受け、直ちに警察に遺失届を提出しました。同日午後は市の職員複数名による担当調査区での捜索が行われましたが、書類は見つかりませんでした。事態を受け、市は非公開情報を含む事業所名簿が記載されていた事業所に対し、個別に説明と謝罪を実施したとのことです。
市は「関係する皆様に多大なるご心配とご迷惑をお掛けしたことを心よりお詫び申し上げます」と改めて謝罪し、再発防止策として、「調査員証をはじめとする調査用品の管理徹底」と「調査員への指導強化」を行う方針を固めました。また、市民に対しては、今回の事案を踏まえ、「かたり調査」(なりすましによる不正な聞き取り)に最大限注意するよう呼びかけています。
背景
経済センサスなどの統計調査は、行政が地域の実態を把握し、政策立案の基礎データとする重要な役割を果たします。そのため、調査員には機密性の高い事業所情報や個人情報を含む書類が渡されます。今回の紛失事案は、こうした公的データの取り扱いにおける管理体制の脆弱性を浮き彫りにしました。
重要用語解説
- 経済センサス‐活動調査: 国が行う統計調査の一つで、企業の活動状況や規模を把握し、地域経済の動向分析に役立てるための基礎データ収集です。行政計画策定の根拠となります。
- かたり調査: 「なりすまし」による聞き取り調査のこと。公的機関や企業を装い、個人情報や機密情報を不正に聞き出そうとする詐欺行為であり、警戒が必要です。
- 事業所名簿: 特定の地域(担当調査区)内にある企業の名称、所在地、電話番号などの基本情報がまとまったリスト。統計調査において重要な基礎資料となります。
今後の影響
今回の事案は、公的機関によるデータ管理の徹底と信頼性の維持が求められることを示しています。今後は、行政側がより厳格な持ち出し・保管ルールを策定し、市民への情報漏洩防止のための啓発活動を強化することが予想されます。