美容目的での「マンジャロ」使用に製造元が警告:不適切利用や違法売買は容認しない
米製薬会社イーライリリー・アンド・カンパニーの日本法人である日本イーライリリーは、2026年6月11日付けで公式サイトを通じて、同社が製造・販売する2型糖尿病治療薬「マンジャロ」について、美容や痩身、ダイエットといった目的での使用に対する強い注意喚起声明を発表した。この警告は、近年、SNSなどを通じたインフルエンサーによる体験談の拡散などにより、本剤が本来の適応外用途で利用される事例が増加し、社会的な波紋を広げている状況を受け行われたものである。
日本イーライリリーによると、マンジャロの国内における承認された効能・効果は「2型糖尿病」のみであり、美容や痩身目的での使用については、「有効性および安全性は医学的に確認されておりません」と明確に否定した。同社は声明の中で、本剤が医師の指導のもとで適切に管理・監督され、国内の電子添文に基づいた適切な使用が求められる「処方箋医薬品」であることを強調した。
さらに、マンジャロを許可なく個人間で売買したり転売したりする行為についても、「薬機法に違反する行為」として強く注意喚起を行った。同社は、適切に指導・管理されていない医薬品の使用は、安全性や品質が確保されておらず、深刻な健康被害を引き起こすリスクがあるため、「これらを容認できず」関連当局や警察などと連携して情報共有および適正使用の推進活動を行っていると述べた。また、肥満症治療を希望する患者に対しては、必ず「肥満症治療薬として承認された薬剤」を医師の管理・指導のもとで使用するよう呼びかけている。
背景
マンジャロ(商品名:Zeposiaなど)は、本来2型糖尿病の治療薬として開発され、市場に投入された。しかし、その高い血糖値コントロール効果や体重減少作用が注目されるにつれ、美容目的での利用を求める声が高まり、SNSなどで誤った情報や体験談が拡散する事態となった。これを受け、製造元は適正使用に関する警告を発した。
重要用語解説
- 2型糖尿病治療薬: インスリン分泌能の低下などにより血糖値が高い状態(高血糖)を指す疾患。マンジャロは、この病気の管理・改善を目的として処方される薬剤である。
- 電子添文: 医薬品の使用方法や注意点などが記載された文書のこと。特に日本では、医師が患者に適切な使用法を指導するために用いられる。
- 薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律): 医薬品の製造、販売、広告などに関するルールを定めた法律。無許可での売買や転売は、この法律に違反する重大な行為である。
今後の影響
本警告により、一般消費者のマンジャロに対する誤解が是正され、適正使用への意識が高まることが期待される。今後は、美容目的の需要を抑えつつ、医師による適切な指導と管理体制の徹底が求められる。また、関連当局との連携強化は、市場における不正流通や違法売買への抑止力となる。