Deezerが無料AI音楽検出ツールをリリース:SpotifyやYouTube MusicのプレイリストからAI生成楽曲をスキャン可能に
音楽ストリーミングサービスDeezerは、ユーザーが他の主要プラットフォーム(YouTube Music、Spotify、Apple Musicなど)で作成したプレイリストに含まれるAI生成音楽を検出できる無料のツールをリリースしました。この機能により、利用者はどのサービスを利用しているかに関わらず、自身のプレイリストの「透明性」を確認できるようになります。
背景として、近年急速に発展した生成AI技術により、非常に高品質なAI楽曲が誰でも簡単に制作可能となり、音楽ストリーミングサービス上でのAI生成楽曲の大量配信が社会的な問題となっています。Deezerは、この問題に対処するため、2025年の調査を実施しました。その結果、利用者の45%が「AI生成音楽をプラットフォームから除外したい」と希望し、80%以上がAI製であることを明示するラベルの必要性を感じていることが判明しました。また、7割以上のリスナーは、AI生成音楽が人間のアーティストの生計を脅かしているとして非倫理的であるとの見解を示しています。
現状、Deezer自体でも2026年4月時点で毎日約7万5000曲ものAI生成音楽がアップロードされており、これは日次アップロード数の約44%を占めています。これを受け、Deezerはこれまでも検出・タグ付け対策を行ってきましたが、今回リリースしたツールでは、Tune my musicなどのサービスを経由し、20種類のストリーミングサービスで作成されたプレイリスト全体をスキャンすることが可能になりました。
同社のアレクシス・ランテルニエCEOは、「どのプラットフォームを利用しているかに関わらず、誰もが自分のプレイリストにAI生成音楽が含まれているかどうかを確認できるようにした」と述べ、業界における透明性の確保において先駆的な役割を果たしたとしています。
背景
近年、生成AI技術の進化により、高品質な楽曲を誰でも容易に制作できるようになりました。その結果、音楽ストリーミングサービス上でのAI生成楽曲が急増し、著作権やアーティストの生計への影響が懸念される社会的な問題となっています。
重要用語解説
- 生成AI: 人工知能(AI)を用いてテキスト、画像、音声など新しいコンテンツを自動で作り出す技術。本記事では音楽制作に応用されています。
- プレイリスト: 特定のテーマや気分に合わせて楽曲をまとめた曲のリスト。ストリーミングサービスにおけるユーザーの聴取履歴や好みを反映します。
- 透明性: 情報が隠蔽されず、明確に開示されている状態。ここでは、楽曲がAI生成か人間によるものかを明確に示すことを指します。
- 影響: 本ツールは、音楽業界における「信頼性の確保」という点で大きな影響を与えます。ユーザーの意識向上を促し、プラットフォーム側に対し、より厳格なコンテンツ管理基準や、AI利用に関するガイドライン策定を加速させる可能性があります。