DeepSeek、内モンゴルにHuawei製AIチップ16万基導入計画:中国製GPUによるAI開発・運用が加速
中国のAI企業であるDeepSeekが、内モンゴル自治区に大規模なデータセンターを建設し、Huaweiが開発したAIチップ「Ascend 950DT」を最大16万基導入する計画を進めていることがBloombergによって報じられました。この動きは、中国がNVIDIAなどの外国企業への依存を減らし、自国製GPUやAIチップを用いてAIの開発と運用を加速させる「AI自立」の動きを象徴しています。
データセンターには、Huawei製AIチップ「Ascend 950DT」が導入されます。このチップは「HiZQ 2.0」という広帯域幅メモリ(HBM)を採用し、メモリ容量144GB、メモリ帯域幅4TB/sという高性能を誇ります。また、DeepSeekはOpenAIやAnthropicに匹敵する性能を持つAIモデルを開発しており、画像認識タスクではClaude Opus 4.8と同等の性能を持つオープンモデル「DeepSeek-V4-Flash-Vision-Exp」を公開しています。
技術面では、Huaweiは自社製AIチップでDeepSeekのAIモデルを運用する研究を進めており、2026年6月には「Ascend 910C」を用いてDeepSeek-V4-Proの事後学習に成功したことが報告されています。さらに、DeepSeekは「Atlas 950 SuperPoD」などのシステム開発も進めており、中国製AIチップとインフラを活用したAIエコシステムの構築が急速に進んでいることが示されています。この動きは、地政学的な緊張の中で、中国が技術主権を確保し、AI分野で国際的な競争力を高めようとする戦略的な動きとして注目されています。
背景
中国におけるAI技術の自立と、国際的なサプライチェーンにおける地政学的な緊張の高まりが背景にあります。NVIDIAなどの外国企業への依存を減らし、国内の技術とインフラでAI開発・運用を行う動きが加速しています。
重要用語解説
- Ascend 950DT: Huaweiが開発したAIチップ。HBM(広帯域幅メモリ)を採用し、メモリ容量144GB、メモリ帯域幅4TB/sという高性能を持つ。
- Atlas 950 SuperPoD: Huaweiが開発したAIコンピューティングクラスターの一部。複数のPoD(Processing Unit)を接続して大規模な演算性能を実現するシステム。
- AI自立: 外国企業(特に米国企業)の技術やインフラに依存せず、自国でAIの研究開発、チップ製造、データセンターといったAI関連の技術とシステムを確立する動き。
今後の影響
中国が自国製AIチップとインフラを大規模に導入する動きは、AI分野における技術主権の確立を意味し、国際的な技術競争に大きな影響を与えます。これにより、AI開発のサプライチェーンが中国中心へとシフトし、国際的な技術覇権争いがさらに激化すると予想されます。